7月1日、KIITOで山崎亮氏のセミナーが開催された。 彼によれば、デザインは人を幸せにするものであるが、 商業的なものと、社会的なものがあるという。 モノづくりのデザインだけに満足できなかった彼は 社会の課題を解決するデザインを選択した。 そのきっかけは、アメリカのキャメロン・シンクレアという彼と同年の 建築デザイナーの「住む家のない人のための建築デザイン」という考えに共鳴し、 直ちにアメリカへ行って彼に会い、意気投合したことから、 2005年に現在の株式会社studio-Lを立ち上げたのだ。 最初に着目した課題は、過疎の町や限界集落だ。 人が集まるためにはどうすれば良いかを考える。 そんな中から、公空間を代表するいわゆる「ハコモノ」に 人が集まらないのは、ハコモノが悪いのではなく、 周辺に存在していたはずのコミュニティが壊れているからだと気づく。 そして、社会の課題解決は、なによりも人と人との結びつき、 有機的なコミュニティをつくることだと分かった。 さらに、江戸時代の絵図などからも、本来の公空間には、 いろいろなことをして楽しむ人が溢れていたはずなのだと思う。 そのためには、現在の堅苦しい使用制限を外し、 もっと自由な発想で使えるようにすればと考えた。 そのコミュニティに関わることで楽しいことに出会えたり、 生き甲斐になれば、人は喜んで集まってくると確信する。 これに関連する学生、町内会、商店街、NPO、サークル、企業などを巻き込み 必要な組織、活動プログラムづくり、初期活動のサポートなどに 彼のアイデアや行動力、そして人心掌握力が活かされるのだ。 このセミナーでは、自ら手がけたコミュニティデザインの実践活動例、 「兵庫県立有馬富士公園のパークマネージメント」 「JR延岡駅周辺整備プロジエクト」や 海外の例としてアメリカ、カリフォルニア州のパークマネージメント 「クリッシ・フィールド」米軍基地跡再生プロジェクトなどのほか 今必要とされる「新しい母子手帳」 外遊びをすすめる雑誌「OSOTO」 震災支援関連の「できますゼッケン」など 多岐にわたる彼の社会の課題解決の事例も紹介された。 彼の専門はランドスケープデザインであるが、 今ではパークマネージメント、まちづくり、総合計画づくりなど ソーシャルデザインというフィールドを通して無限に広がっている。 彼は「ソーシャルデザインは儲かる」と断言する。 社会の課題は無数に存在する。 たとえば、行政では何千万もの予算をかけても、 できるかどうか判らない仕事を、 私たちは何百万円で実現するので、喜んで報酬を与えてくれるというのだ。 (寺本) |












